スカウト達からの問題定義に対する私の意見

 まず富士スカウトの件についてですが、やはりベンチャー富士は簡単に取得できるようになり富士スカウトとしての重みがなくなってしまったというのが、シニア時代を経験したスカウトからの言い分でした。僕の認識しているところではベンチャー部門の富士スカウトは、あくまで進級科目の一つのステップであるということ、またアワードという新しい科目を設けることによってさまざまな分野に挑戦することができるすばらしいシステムであると思っています。
 シニア時代の富士スカウトは3年間の活動期間のうち受験などでスカウト活動ができにくいため、実質は2年ちょっとで取得しなければならないものでした。ボーイスカウト部門と同じように進級科目が存在し、技能章をたくさん取らねばならず、宗教章も必要でした。
 新しいベンチャー部門の富士スカウトは20歳まで活動を続けることができ、アワードを3種類取得し、技能章を指定されたものを含めて5種類以上取得し、宗教章をできるだけ取得することとなっています。
 大きく変わった点は、アワードという新しい科目が増えたという点でしょうか、アワードとは「賞」という意味で、7つの分野からスカウト自身が自由にプログラムを企画展開できるというもので、スカウト達のニーズに合わせたプログラムの展開ができるようになっています。ただしアワードに挑戦するためのプロジェクトには明確な目的・目標が必要で、プロジェクトの展開反省時において最初に立てた目的をクリアすることができたかどうかを問うものとなっています。ボーイスカウト部門までの進級科目には、与えられた課題がありその課題をクリアすることが必要でした。しかしベンチャーのアワード・プロジェクト制度では各スカウトが自分で立てた目的を、クリアすることができたかどうかという観点から評価します。つまりいままでは絶対的目標に対する評価であったものを、スカウト個人個人のスキルにあわせた相対的な評価にしようというものなのです、つまり個人個人のスカウトの能力・技能にあわせて、目標を設定しそれに対する努力をきちんと評価しようというものなのです。
 たとえば試験の点を例にあげますと、80点が合格ラインだというのではなく、各個人の努力度を見ましょうというものです。A君は75点のものが90点に、B君は40点だったものが60点にC君は79点から82点になった場合を考えた時に、80点という合格ラインを設けた場合はA君・C君が合格でB君は不合格ということになってしまいます。でも各自の努力を見た時にどうでしょうか?A君は前回より15点上昇しています、B君は20点上昇しています、C君は3点しか上昇していませんね、こういった場合にやはり一番努力したB君も合格とすべきであるというものなのです。
 この制度をとることによって全体的なレベルが下がることが懸念されるようですが、一人一人が成長していくことこそ大事なのではないでしょうか?ベンチャー制度のアワードは全体のレベルを下げるものではなく、むしろ各個人個人のスキルアップを目指したものであり、今まで難しすぎて富士を取得できなかったスカウトにも十分チャンスを与えてあげるものだと思います。もちろんスキルの高いスカウトには高い目標を与える必要があることは、言うまでもありません。この評価の部分で各隊さまざまなレベルに別れることとなり不満となっているようです。

 つぎに女子スカウト加入についてですが、これについては言うまでもないでしょう(笑)。つまり今まで男と女という分け方でプログラムを展開してきていたのですが、ベンチャー部門のようなアワード制度を取り入れることによって、男子には男子のニーズ女子には女子のニーズ、それぞれに対して個人個人がプロジェクトを展開することができるのです。そしてどのプロジェクトに参加するのも自由ですから、男子の考えたプロジェクトに女子が参加することは可能ですし、もちろん逆もまた可能です。
 シニア年代までの進歩制度であれば絶対的な目標があげられていたため、女子の体力面でクリアできない部分があったかもしれませんが、アワードという制度ではこの個人個人の能力にあわせた目標を設定することができるため、各個人のスキルアップを正しく評価することができるのです。
 先進国といわれる国々の中で男子と女子でプログラムを分けているのは、日本とアメリカだけであるとうかがっています。男女平等・同権が叫ばれるなかこのような取り組みを進んですることが大切なのではないでしょうか。

 最後にベンチャー大会の運営についてですが、私もスカウトと同様に指導者サイドからの要求がきつすぎると思います。ベンチャー部門になって班と言う制度がなくなったにもかかわらず大会の一部の隊ではまだ班長を設けて、班展開しているところもありました。
 そもそも隊に分ける必要すらないような気がしているのです。指導者サイドとしては安全面・配給面などさまざまな思惑があってこのような体制にしていることと思いますが、ほんとの意味でスカウト達のニーズを取り上げているでしょうか?ベンチャー大会の場合は参加スカウトに対する条件というものが厳しくないため、スカウト活動とは何かや団体行動とはなにかなどを十分理解せずに参加してきているスカウトがいるのも事実だと思います。会場内でも君は本当にスカウトとして自覚しているのか?と言いたくなるようなスカウトはたくさんいました。
 参加するスカウトに対する条件がゆるいために全体的な品位を維持する必要があり、隊制度や班制度を持ち出さなければならないとしたら本末転倒ではないでしょうか?ベンチャースカウトとして日頃真剣にプログラムに参加しているスカウトが、自分達で積極的に自主運営できるベンチャー大会というものを私は目指すべきではないかと思います。
 早急に変えていただきたい点としては、隊の編成でしょうか。私がスカウトとして参加した2NVやはじめて奉仕で参加した3NVではさまざまな県からの参加スカウトがバディ単位で混成されて隊編成していたように思えます。スカウトとしては新しい友達を全国に作りたいという大きなニーズもあると思うのです、しかしながら今の編成ではSCを超えた夜の交流など望むべくもなく、知り合うことはできても交流を深めるというところまでいけなかったというのが大半のスカウトだと思います。
 活動基地単位での隊編成というのも一つの選択肢かもしれませんね、Bグループなどはとうぜん前半の活動基地で友達になったスカウトと交流したいものです。しかし各スカウトがばらばらのSCに配置されており夜遊びに行くこともできない状態でした。キャンプ生活をしているいじょう早めの就寝が必要なことは重々承知していますが、日頃家庭では24時まわってからしか寝ていないスカウトが大半の中、22時くらいの消灯ではじっくり楽しめたとはいえないでしょう。
 いま一度このことを踏まえた隊編成をご検討いただきたいと思います


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